ブケレ・サンサルバドル市長を巡る動き

平成29年10月23日
1 FMLN党籍剥奪及び追放(expulsion)
(1)FMLNの決定
 2017年10月10日,ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)倫理委員会は,ブケレ・サンサルバドル市長による党員への名誉毀損等が党憲章及び規約等に違反したとして,ブケレ市長のFMLN党籍剥奪及び党からの追放を決定した。これにより,ブケレ市長は2018年3月のサンサルバドル市長等選挙のための同党候補者名簿より排除され,同選挙へのFMLNからの出馬は不可となった。
(2)経緯
 今年6月,FMLNは2018年全国市長等選挙(拘束名簿式比例代表制)への立候補者を決定するための内部選挙を行い,サンサルバドル市については市長候補にブケレ現市長,副市長候補にリベラ国会議員を選出していた。
 9月14日,マルチェリ・サンサルバドル副市長は市議会においてブケレ市長から魔女と呼ばれる等の口撃を受けたとして,またFMLN自体もブケレ市長が党への批判を公然と繰り返したとして,それぞれFMLN倫理委員会に告発した。
(3)その他
 報道では,FMLNからの代替市長候補としてマルティネス外相,リベラ副市長候補,ピニャト社会統合担当大統領補佐官,ドゥアルテ観光大臣等の名が挙がっているが,市長候補の選出プロセスは追って党政治委員会で決定される。
 
2 ブケレ市長による2019年大統領選挙関連の意志表明
(1)2017年10月15-16日,ブケレ・サンサルバドル市長は,自身のフェイスブックページ及びTV番組でのインタビューにて,2018年3月に予定されるサンサルバドル市長選挙には出馬しない旨表明した。一方で,2019年2月に予定される大統領選挙への出馬を模索するべく政治団体を立ち上げる旨表明したが,右団体を政党登録した上での出馬(注:右登録には5万人の署名が必要)か,他党からか無所属での出馬かについては明言を避けた。しかし,決選投票になった場合でも国民共和同盟(ARENA)及びFMLNには協力しない旨述べた。
(2)今回のサンサルバドル市長選への不出馬表明により,ブケレ市長の任期は規定どおり2018年4月30日までとなった。
以 上